ゴルファーに多い身体の障害ベスト3とは?
ゴルフは前傾姿勢からスイングをするスポーツであるため、疲労や個人の技術面から関節や筋肉に負担がかかり、障害となることがあります。
身体を痛める障害の中でもゴルファーベスト3と言われているのが、
①腰の痛み
②肩の痛み
③膝の痛み
の3つになります。
皆さんは当てはまっているでしょうか?
今回はその中でも2番目に多いと言われる「肩の痛み(上腕二頭筋腱炎)」の正体となぜ起こってしまうのか…そして放っておいた恐ろしい状態についてお伝えしていきます。
ゴルフスイングにおける肩を痛める原因とは?
肩を痛めてしまう直接的な原因として、
①スイングで地面にクラブを振り下ろすこと
②背骨を中心に回転してスイングすること
が原因として、肩関節に強い捻れとクラブに負けないように引っ張り合う力がストレスとなり、起こる事が多いです。
より一層、肩甲骨周りの筋緊張を緩めたり、体幹を鍛えたり、と具体的改善策をお伝え致します。
上腕二頭筋腱炎とは何か?
その力こぶの筋肉の肩関節に近い方が細くなっていてその部分を腱と呼びます。
その腱の部分で炎症が起きて痛みが出てしまう症状を「上腕二頭筋腱炎」と呼びます。
炎症が起こる原因としては、「同じ動作を繰り返し行ったりすること」で発生することが多いです。
上腕二頭筋腱炎の症状には、腕の痛みや違和感、腫れ、炎症部位の赤みなどがあります。
また、炎症が進行すると、腕の運動制限や力の低下なども現れる場合があります。
ゴルフのような繰り返しの動きが多いと、一度痛みが出始めるとなかなか改善されないことも多いです。
そしてこの症状を放っておいた結果が…この後お伝え致します。
肩を痛めるゴルファーには共通点が⁉身体の使い方の落とし穴
肩を痛めやすいアドレスの姿勢
ゴルフにおけるアドレスの姿勢では、左右の肩のラインがスイングプレーンとボールの方向性を決め、左右の肩の高さが体重移動に影響を与えます。
よくゴルファーはクラブを握る際、右手が下になるため、右肩が下がりがちになりますが、この肩のアライメント(姿勢)が整っていないとスイングの下半身→体幹→上半身への連動に制限がかかり肩を痛めやすくなります。
クラブを強く握ってしまう
ゴルフクラブを手でコントロールしようとしてしまうとどうしても力が入ってしまいます。
力みは、ボールのインパクト時に過度なローテーション(腕をこねるような)を生み出します。
それにより、肩関節内旋(内巻き)が起こり関節が詰まりやすくなって痛みを出しやすい状態になります。
あなたにまず行ってみたい施術をご紹介
肩・肩甲骨周りの柔軟性
上腕二頭筋の柔軟性ももちろん重要ですが、肩関節は他の関節に比べて、大きく動くことが特徴的な関節です。
その中でも肩甲骨・肩関節周りの筋肉や関節の柔軟性がとても大切で、周りの関節が動きが悪くなってくると結果的に上腕二頭筋腱に負担がかかって痛みが出てきてしまうことがあります。
肩甲骨を肋骨から引き離すように施術を行い、肩周りの筋肉(三角筋・広背筋・大胸筋など)を丁寧に緩めて関節の可動域を広げていきます。
骨盤と連動する体幹の柔軟性と筋力強化
ゴルフの動きは下半身→体幹→上半身と連動性が非常に重要なスポーツです。
下半身の力を上へ伝達していくために、背骨の柔軟性や体幹と呼ばれるお腹周りの筋力強化もとても大切です。
スイング時の肩の前後左右のズレは体幹でのキープ力がないとすぐにブレてしまいます。
体幹の筋肉の中でも、「腹横筋」と呼ばれる筋肉は重要な筋肉の一つです。
写真のように仰向けで寝た姿勢から、
①両手を前方へ伸ばす
②両脚を立て膝にした状態で股関節90°までもも上げする
③顎を引く
この状態を1分間キープしましょう。
やってみると意外とキツいですが、こういったトレーニングを行っていきスイング時の体幹のブレを少なくし、肩への負担を最小限にしていきます。
エッ!力こぶがなくなる⁉当院で実際にみた上腕二頭筋腱炎…放置していた恐ろしい結果
「そのうち治るだろう」
です。
肩の痛みを抱えているものの、誤魔化しながらスイング出来てしまうため、身体の治療を受ける事への優先順位が下がりがちになってしまいます。
当院で以前見ていたゴルファーの方で、肩が痛いという訴えで来院された方がいらっしゃいました。
まさしく上腕二頭筋腱炎の症状でしたが、とてもゴルフに熱心な方だったのでなかなかゴルフをやらない選択肢が取りづらい状況でした。
ある日のスイングの時…
「バチッ!」
身体の中から大きな音が聞こえたそうです。
そう…上腕二頭筋腱がとうとう負担に耐えきれず断裂してしまったのです。
当然痛みも伴うのですが、何よりこうなってしまうと上腕二頭筋腱は断裂してしまうと放っておいてもくっつきません。
固定術という手術が必要になってしまうのです。
ある程度ご高齢の方で、日常生活程度の運動であれば断裂したまま放っておくのですが、スポーツしている方はそうもいきませんよね。
ここまでなってしまうとゴルフを少しの間休む…では済まなくなってしまいます。
こうなる前に肩に痛み、違和感を少しでも感じた方はぜひ早めにご相談ください。
よくいただく質問と答え
- 肩が痛い中でもゴルフを続けてもいいですか?
- なるべくは改善するまでは控える方がベストです。 ただ、ゴルフを完全に行わないというのは正直難しい方がほとんどですので、当院ではセルフケアもお伝えさせて頂きながら、可能な限りゴルフを継続しながら改善する方法でご提案させて頂きます。 通われている方でも、週2回ゴルフを行いながら治療されている方も多くいらっしゃいます。 安心してご相談下さい。
- ゴルフのスイングも教えてもらえるんですか?
- ゴルフスイングで肩に負担が少ない方法はお伝えさせて頂きます。 当院のスタッフはゴルフのレッスンプロではないので、細かい打ち方のフォームを改善するというよりは、身体の動きの観点から改善した方がいい動作や使い方のご提案をさせて頂きます。 「ゴルフでスコアを伸ばしたい!」「アプローチが上手くなりたい!」などのご相談はレッスンプロの方の方がよほど詳しいかと思います。 「肩に負担のかからない打ち方」「身体のリスクを考えてこの動作は改善したい」などは我々でも十分お力になれると思います。
- 何回くらい通った方がいいですか?
- 状態にもよりますが、目安はまず6回は間隔を空けすぎず1ヶ月以内で施術を受けて頂く事をお勧めしております。 その後は状態に合わせて再発防止のトレーニングなどをお伝えしたりしながら、2〜3ヶ月程度で完全に復帰出来るようサポートさせて頂きます。